ライフサイエンス用語集

イオン結合 【いおんけつごう】

陽イオンと陰イオンの間での静電引力によって生み出される化学的な結合様式。

移植細胞のトレーシング 【いしょくさいぼうのとれーしんぐ】

イメージングのためのプローブを結合あるいは取り込ませること(ラべリング)により、細胞を可視化すること。
この方法により、可視化された移植細胞の体内での動きを追跡(トレーシング)することができる。

異所性骨化 【いしょせいこっか】

骨組織あるいは骨折部位の軟部組織など生理的な骨形成が生じる部位以外で、骨組織が形成されること。

Ⅰ型コラーゲン 【いちがたこらーげん】

線維性コラーゲンで最も大量に存在するコラーゲン。骨に大量に含まれ、骨に弾力性を持たせるのに働いている。皮膚の真皮にも非常に多く、皮膚の強さを生み出す働きがある。
Ⅰ型コラーゲンは、α1鎖(Ⅰ型) 2本とα2鎖(Ⅰ型)1本が集まって形成される。Ⅰ型コラーゲンは、多くの組織でコラーゲン細線維、更にはそれが集まったコラーゲン線維の主成分である。

一酸化窒素(NO) 【いっさんかちっそ】

窒素と酸素からなる化合物。水に溶けにくい気体。
体内では一酸化窒素合成酵素(NOS)によりアルギニンと酸素から合成され、シグナル伝達に関与する。
例えば、血管内皮細胞はNOをシグナルとして周囲の平滑筋細胞を弛緩させ、それにより動脈を拡張させて血流量を増加し血圧を下げる。

遺伝子改変 【いでんしかいへん】

核酸物質を用いることによって細胞の遺伝子発現を高めたり、抑制したりすることで、細胞の生物機能を増強、修飾など改変すること。

遺伝子診断 【いでんししんだん】

疾患に関連した遺伝子の配列の変化を調べて、疾患を診断すること。

遺伝子治療 【いでんしちりょう】

プラスミドDNA、アンチセンスDNA、siRNAなどの核酸物質を用いた治療。
核酸物質を細胞に取り込ませ、細胞より産生されるタンパク質によって治療効果を目指すアプローチと核酸物質により生物機能を修飾された細胞によって治療効果を目指すアプローチがある。

遺伝子導入技術 【いでんしどうにゅうぎじゅつ】

細胞内へ遺伝子を導入して、その生物作用を高めるための技術。
遺伝子と相互作用して遺伝子のアニオン性と分子サイズを制御することで、遺伝子の細胞表面への結合、取り組み、核への移行を促すための材料(遺伝子導入キャリア)の研究開発や遺伝子導入のための細胞培養方法の改良(バイオリアクタの利用、SubFection法など)が行われている。

遺伝子導入試薬(キャリア) 【いでんしどうにゅうしやく(きゃりあ)】

プラスミドDNAなどの遺伝子を細胞内に取り込ませ、細胞の機能を改変、修飾することを助ける試薬。
カチオン性のリポソーム、水溶性高分子、および高分子ミセルなどが用いられる。 非ウイルス性キャリアとも呼ばれている。

遺伝子-細胞ハイブリッド治療 【いでんし-さいぼうはいぶりっどちりょう】

遺伝子治療と細胞移植治療とを組み合わせた新規の治療。
細胞は、本来、病的部位を認識する能力をもち、体内に移植された細胞は、血流を介して、再生修復の必要な部位に集積する。つまり、細胞は天然の病的部位ターゲティング担体である。
そこで、担体としての細胞に治療遺伝子を導入する。この遺伝子導入された細胞を移植すると、細胞は病的部位に到達、その場で治療タンパク質が産生される。
移植する細胞が幹細胞であれば、その細胞がもつ再生修復力と遺伝子治療とを同時に行えるハイブリッド治療法となる。

異物反応 【いぶつはんのう】

体内に埋入された材料に対する生体反応。人工物の表面性状、物性などによって起こる炎症反応、免疫反応。
慢性化するとコラーゲン線維を主成分とするカプセルによって異物はつつまれる。あるいはひどい場合には体外に排除される。
こうした生体から見た外来物質に対する自己から非自己への反応をいう。

ε-カプロラクトン共重合体 【いぷしろん-かぷろらくとんきょうじゅうごうたい】

ε-カプロラクトン(-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CO-O-)nが他の高分子(グリコール酸)などと共重合したもの。
ε-カプロラクトンは、環状の化合物であり開環重合により高分子化する。

異方性材料 【いほうせいざいりょう】

材料としての特性を全ての方向に満遍なく発揮するのではなく、特定の方向に強く発揮するような材料。
など方性材料が反対語である。

イムノピラー 【いむのぴらー】

血液中の疾患に関連するタンパク質を検出するために、抗体を固定化したマイクロビーズを多数ふくむ柱状の構造体。
直径は数百μm、高さ数十μm程度である。

インクジェットプリンティング 【いんくじぇっとぷりんてぃんぐ】

微細なノズルから微少量のインクを吹き付けることにより印刷する技術。
細胞、タンパク質などをインクとして二次元的あるいは三次元的にパターニングすることにより生体組織を構築する技術として応用されている。

インターフェロン 【いんたーふぇろん】

細胞から産生される生理活性タンパク質。
現在、慢性肝炎、腎臓癌の治療薬として用いられている。免疫細胞の活性化物質としても知られている。

インテグリン 【いんてぐりん】

細胞接着および細胞間相互作用に関与する細胞膜を貫通する受容体の総称。
α鎖とβ鎖のヘテロ2量体として存在し、その組み合わせによりコラーゲンやラミニンなどの細胞外基質や細胞表面接着分子などと特異的に結合する。

インテグリン免疫染色 【いんてぐりんめんえきせんしょく】

インテグリンを染める染色法。

インテグリン(レセプター) 【いんてぐりん(れせぷたー)】

細胞接着因子タンパク質が結合する細胞表面にある糖タンパク質(一般には受容体、レセプターと呼ばれる)のこと。
α鎖とβ鎖からなり、その組み合わせにより異なるタンパク質のアミノ酸配列を認識、結合する。
RGD(アルギニン、グリシン、アスパラギン酸):α5β3インテグリンが認識、結合する細胞接着因子の代表的なアミノ酸配列。

インフラマゾーム 【いんふらまぞーむ】

複数のタンパク質からなるタンパク複合体で、病原微生物成分などの異物をNOD-like receptorsを介して認識し、シグナル伝達分子ASCを介して、非活性型のprocaspase-1を活性型のcaspase-1に変換する役割を果たす。
その結果、casepase-1はpro-IL-1βやpro-IL-18を炎症性サイトカインとして実際に働くIL-1βやIL-18にし、炎症反応の誘導や進展に重要な役割を果たす。

インプラント 【いんぷらんと】

人体内埋入(埋植)材料。

インプラントデバイス 【いんぷらんとでばいす】

体内埋入材料またはその組み合わせ構造物(装置)。体内使用型の医療機器。