ライフサイエンス用語集

こ(ご)

抗感染症 【こうかんせんしょう】

感染症を起こさない性質。

光学異性体 【こうがくいせいたい】

互いに鏡像の関係にあって重ねあわせることのできない構造。
物理的性質(融点、沸点、密度など)や分子の対称性に無関係な化学的性質は同じで、結晶形、旋光性、生理作用は異なる。

抗原 【こうげん】

免疫細胞上の抗原レセプターに結合し、免疫反応を引き起こさせる物質の総称。

抗原性 【こうげんせい】

抗原は、リンパ球などの免疫細胞上の抗原レセプターに結合し、免疫反応を引き起こさせる物質。抗体に結合することができる抗原の性質を抗原性と呼ぶ。

交互共重合体 【こうごきょうじゅうごうたい】

AとBの2種類のモノマーがABABABA–と交互に並んでできた高分子のこと。
このようになる2種類のモノマーの組み合わせは、数少ない。

交互積層法 【こうごせきそうほう】

相互作用のある2種類の高分子やタンパク質の溶液に基板を交互に浸漬することで、ナノメートルオーダーの薄膜を作製する手法。

孔食 【こうしょく】

材料の1カ所が集中的に腐食し、孔が空いていく腐食。

梗塞部 【こうそくぶ】

血流が乏しいあるいは遮断されることにより組織、臓器が障害、死滅した部位のこと。

硬組織適合性 【こうそしきてきごうせい】

材料を、歯質や骨に埋入したとき、あるいは接触したときに、材料表面で骨形成や骨結合が起こる性質。
セラミックスの分野では、生体活性という。

抗体 【こうたい】

リンパ球のうちB細胞の産生する糖タンパク分子で、特定のタンパク質などの分子(抗原)を認識して結合する働きをもつ。

高耐食性 【こうたいしょくせい】

耐食性がよいこと。

好中球 【こうちゅうきゅう】

白血球の一種。中性色素に染まる殺菌性特殊顆粒を持つ顆粒球である。
盛んな遊走運動(アメーバ様運動)を行い、主に生体内に侵入してきた細菌や真菌類を貪食(飲み込む事) 殺菌を行うことで、感染を防ぐ役割を果たす。

高分子の結晶構造 【こうぶんしのけっしょうこうぞう】

長い分子からできている高分子は、分子の集まり方が密な部分(結晶部分)と疎の部分(非結晶部分)とがある。高分子の強度は結晶部分の存在に基づくものであり、非結晶部分は柔軟性や水分などの低分子の吸着に役立っている。
プラスチックや繊維は一般に結晶性を有しているが、結晶構造を形成するには高分子間に水素結合など一定の分子間力が必要である。

固相合成 【こそうごうせい】

高分子微粒子(ポリスチレン)上で、ペプチドの一次構造に従ってアミノ酸を縮合していく手法。アメリカのメルフィールドにより開発されノーベル賞を受賞した。

骨芽細胞 【こつがさいぼう】

骨を形成する細胞。

骨形成因子 【こつけいせいいんし】

細胞の分化を制御する作用をもつタンパク質。アミノ酸配列に類似性の高い十数種類の物質が見つけられている。
筋肉、皮下、骨組織に存在する未分化細胞に働き、骨組織を形成 させる能力をもつ。
すでにBMP-2、BMP7(cp-1)は欧米で骨再生治療に臨床で利用されている。
発生過程の細胞分化においても重要な働きをしている。

骨形成速度 【こつけいせいそくど】

骨が材料表面に形成されてくる速度。

骨結合インプラント 【こつけつごういんぷらんと】

骨と結合するインプラント。

骨結合性 【こつけつごうせい】

チタンの性質で臨床機能的には材料と骨が接合しているが、電子顕微鏡レベルでは結合性組織が介在すること。

骨再建 【こつさいけん】

失われた骨の機能の再建。

骨再生 【こつさいせい】

失われた骨を再生。

骨質 【こつしつ】

2000年にNIHにより提唱された概念で、骨密度以外の骨強度因子を示す。

骨髄間葉系幹細胞 【こつずいかんようけいかんさいぼう】

骨髄中で造血系を支える間質細胞に含まれる幹細胞で骨、脂肪、筋肉などへの分化能を持つ。

骨髄由来間葉系幹細胞 【こつずいゆらいかんようけいかんさいぼう】

骨髄中に存在する増殖、分化能力の高い組織幹細胞。骨、軟骨、脂肪、筋肉細胞などの間葉系組織を構成する細胞に分化する能力をもつ。
体は、その立体構造を保持している”内部実質”とその周りを囲んでいる”かわ”の2つの部分から成っている。この内部実質を構成しているのが間葉系組織(間充識)であり、間葉系細胞とは、この組織を構成している細胞のこと。
(bone marrow-derived mesenchymal stem cells/bone marrow-derived MSC)

骨粗鬆症骨 【こつそしょうしょうこつ】

骨形成が骨吸収を下回る結果、骨量が減少するとともに、骨の質が低下する疾患骨。閉経後の女性や老人に多くみられる。

骨置換材 【こつちかんざい】

骨に置換される材料、骨の欠損部に埋入育填する材料(骨充填材)で、時間とともに材料が分解消失、天然の骨組織が再生を促す材料。

骨伝導性 【こつでんどうせい】

アパタイトなどの性質で、材料と骨が結合性組織の介在なしに結合する性質。

骨プレートとスクリュー 【こつぷれーととすくりゅー】

骨折固定に使用されるプレートとスクリュー。

骨膜細胞 【こつまくさいぼう】

骨の周囲には膜があり、この膜を構成している細胞のこと。この細胞の中には、骨を形成する能力をもつ幹細胞が存在している。

骨密度 【こつみつど】

骨組織中のカルシウム濃度を表わす数値。この数値の減少から骨粗鬆症の診断が行われている。

骨様アパタイト 【こつようあぱたいと】

骨に類似した低結晶性炭酸アパタイト。

骨類似機能化 【こつるいじきのうか】

材料を開発する際に、力学的特性、化学的特性、生物学的特性を骨に近づけ、体内で骨に似た機能を発揮させようとすること。

コラーゲン 【こらーげん】

コラーゲンは、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつで細胞外マトリックスの主成分である。体内に存在しているコラーゲンの総量は、ヒトでは、全タンパク質のほぼ30%を占める程多い。
ゼラチンの原料はコラーゲンであり、化粧品、医薬品など多種多様に用いられている。コラーゲンは、このGly-Xaa-Yaaが繰返す配列を持っている。Xaaとしてプロリン、Yaaとしてヒドロキシプロリンが多く存在する。
多くの型のコラーゲンでは、ペプチド鎖が3本集まり、トリプルヘリックス構造を形成している。

コラーゲンスポンジのポアサイズ 【こらーげんすぽんじのぽあさいず】

3次元のコラーゲンスポンジ内の孔の大きさ。
この孔サイズが細胞のスポンジ内部への侵入とその後の細胞増殖、分化に影響を与える。

コンフルエント 【こんふるえんと】

培養基材上で細胞がいっぱいになった状態。
この状態になると、細胞が接触阻害を引き起こし、細胞分裂が休止する。通常は、サブコンフルエント(60~70%コンフルエントくらい)で細胞の植え継ぎ操作(継代)を行う。

コンポジット 【こんぽじっと】

性質の異なる2種類以上の材料が組み合わされた複合材料のこと。単一材料にはない、特別の性質を期待して作製されることが多い。

合成高分子 【ごうせいこうぶんし】

化学的に合成して得られた高分子。ゴム、プラスチック、繊維の素材。

ゴルジ体 【ごるじたい】

細胞内に存在するオルガネラ(細胞小器官)の一つ。
扁平な円板状の小嚢が数層重積した層板構造をもち、核に近い側をシス側、細胞膜に近い側をトランス側とよぶ。
タンパク質を修飾する酵素(糖転移酵素など)が存在する。