ライフサイエンス用語集

さ(ざ)

細菌毒素 【さいきんどくそ】

細菌が生産する毒素で、細菌の病原性を規定する因子。

サイクロトロン 【さいくろとろん】

加速したプロトンや重水素をターゲット原子に衝突させて、他の原子に変換する機器。ポジトロン核種などはこのようにして作る。
たとえば、高純度窒素ガスに、加速したプロトンを衝突させて、炭素11とα粒子を生じるなど、ポジトロン核種の生産は多くがこの方式で行われる。

再建外科治療 【さいけんげかちりょう】

バイオマテリアルや人工臓器を用いて外科手術によって失われた、あるいは病気によって機能のなくなった組織や臓器を代替して、体を再建する外科治療法。
組織や臓器の機能を完全には補助することはできないが、患者の命を救ってきている先端治療法。

再建術 【さいけんじゅつ】

機能を補う手術。

再生酸化皮膜 【さいせいさんかひまく】

一旦破壊し再生した表面酸化物。

再生誘導治療 【さいせいゆうどうちりょう】

生体本来のもつ自然治癒力(細胞の増殖、分化による体を治そうとする力)を介して組織、臓器の構造や機能を再生修復させる治療。一般には再生医療と呼ばれている。
この治療を実現するためには、細胞移植治療と生体組織工学の利用の2つのアプローチがある。
この治療の目的は、自然治癒力を高めて、
 1)新しい治療法を開発する
 2)病気の悪化進行を抑制する
 3)適用外の従来治療を適用可能にする
ことの3つである。

再不導態化処理 【さいふどうたいかしょり】

Caイオンやリン酸イオンを含有する水溶液中で表面酸化皮膜を破壊し、Caイオンやリン酸イオンを含有する表面酸化皮膜を再生させる表面処理法。

細胞足場 【さいぼうあしば】

細胞の接着、立体的配置、増殖、分化のために必要な2次元あるいは3次元の構造物や材料。

細胞アレイ技術 【さいぼうあれいぎじゅつ】

細胞に対して薬物を反応させ、その応答(細胞増殖、細胞の酵素活性、細胞の遺伝子発現などの変化)を見ることによって薬物の生物活性を調べる方法がある。
一定数の細胞を同一基材上に配列(アレイ)させることで、多種類の薬物の生物活性を同時に迅速かつ比較評価することを可能とした技術。

細胞移植のための生体組織工学 【さいぼういしょくのためのせいたいそしきこうがく】

細胞移植における問題の1つに、移植細胞の生着率が低く、その結果としての生物機能、治療効率が低いことがある。
これを解決するために、
 1)細胞の移植床に細胞の栄養、酸素供給のための血管を新生する。
 2)遺伝子などを利用して細胞の機能を改変、増強する。
などの2つの方法が考えられる。
それぞれに対応する生体組織工学(生体材料(バイオマテリアル)を用いた医療、医療アシスト工学技術)として
 1)DDS化生体シグナル因子を用いた血管新生技術
 2)非ウイルス性の細胞内への遺伝子導入材料を用いた遺伝子導入、発現技術
が研究開発されている。

細胞間相互認識 【さいぼうかんそうごにんしき】

細胞同士が互いに認識する現象。組織や器官が形成される際、細胞同士が相互に認識し、正しい形態形成が進行する。

細胞外マトリックス 【さいぼうがいまとりっくす】

細胞の接着・増殖分化のための細胞の足場。接着タンパク質・構造タンパク質・グリコサミノグリカン・脂質などからなる。
2つの生物機能をもつ。
 1)細胞を立体的に配置、その場で増殖、分化させるフレーム機能
 2)細胞の増殖、分化を制御する生体シグナル因子の貯臓とその生物作用の制御機能

細胞凝集塊 【さいぼうぎょうしゅうかい】

細胞同士が凝集した3次元の塊のこと。単独状態に比べて、細胞-細胞間の相互作用が促され、細胞の生物機能が高まっている。

細胞周辺環境 【さいぼうしゅうへんかんきょう】

細胞、細胞外マトリクス、液性成分などからなる環境で、細胞機能を調節する上で重要な細胞周辺の要素。

細胞伸展 【さいぼうしんてん】

細胞が基材やECMなどの上に接着し、球形から扁平上に形態変化した様子。

細胞接着 【さいぼうせっちゃく】

細胞が接着すること。

細胞接着因子 【さいぼうせっちゃくいんし】

細胞の接着を促すタンパク質のこと。

細胞接着活性部位 【さいぼうせっちゃくかっせいぶい】

細胞接着活性を有するアミノ酸配列部分。

細胞接着タンパク質 【さいぼうせっちゃくたんぱくしつ】

細胞の接着を誘導するタンパク質のこと。細胞外マトリックス中に含まれている。

細胞増殖因子 【さいぼうぞうしょくいんし】

細胞の増殖、分化を促すタンパク質のこと。
代表的なものとして、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、骨形成因子(BMP)、肝細胞増殖因子(HGF)、インシュリン様増殖因子(IGF)、トランスホーミング増殖因子(TGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子(HB-EGF)、結合組織増殖因子(CTGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などがある。

細胞電位 【さいぼうでんい】

細胞は、細胞内にカリウムイオン、細胞外にナトリウムイオンが局在することによって、細胞膜を介してエントロピーに由来するポテンシャルが発生する。これを細胞電位と呼ぶ。
神経をはじめとした細胞では、この細胞電位の伝導を効果的に利用して、細胞間での情報伝導を実現している。

細胞内オルガネラ膜 【さいぼうないおるがねらまく】

細胞の中には、様々な生物機能をもつ微小構造体(オルガネラ)がある。このオルガネラを形成している膜のこと。この膜があることによってオルガネラの独立機能性が保たれ、細胞が生きていける。
代表的なオルガネラに、ミトコンドリア、核、小胞体、ゴルジ体、エンドソーム、ゴルジ装置などがある。

細胞内徐放 【さいぼうないじょほう】

薬、タンパク質、あるいは遺伝子などの活性物質を粒子および高分子ミセル内などのキャリアに包含させ、細胞内に取り込ませる。
細胞内でキャリアが分解されるとともに包含された活性物質が細胞内で徐々に放出(徐放)されること。
これにより、活性物質の作用の長期間の継続が期待できる。

細胞ネットワーク 【さいぼうねっとわーく】

従来の電気生理学計測では1細胞の細胞膜レベルでの特性を計測するものであったが、細胞間の興奮伝導を正しく評価するために細胞-細胞間の相互作用を模擬的に生体中と同じものに再構築したモデル。

細胞表面レセプター 【さいぼうひょうめんれせぷたー】

細胞外からの信号を細胞表面でうけ止め(結合)、細胞内に取り入れるための受容体のこと。信号としてのタンパク質あるいは糖を結合する2種類のレセプターがある。
信号がレセプターに結合した後、その刺激のみが細胞内に伝わる場合と、信号レセプター結合体が細胞内に取り込まれてしまうものがある。いずれの場合も、信号は細胞内に伝えられ、細胞活動が制御される。

細胞分化 【さいぼうぶんか】

細胞が成熟して生物機能をもつようになること。

細胞マイクロアレイ 【さいぼうまいくろあれい】

細胞アレイ技術を行うために、一定数の細胞を配列培養させることを目的にマイクロオーダーの表面加工を施した基材のこと。

細胞マイクロ流路 【さいぼうまいくろりゅうろ】

細胞表面の構造の違いによって細胞を分離する技術がある。これを細胞1個レベルで行うためにデザインされたマイクロオーダーのサイズをもつ流路のこと。

細胞遊走能 【さいぼうゆうそうのう】

細胞がその骨格構造を変えながら、自ら移動する能力のこと。
白血球は、ケモカインという化学物質の受容体をもち、そこから入るシグナルによって細胞骨格の構成因子のアクチンの重合反応を起こし、運動能を獲得し、ケモカインの濃度勾配に従って引き寄せられるように移動する。

細胞ラべリング 【さいぼうらべりんぐ】

移植細胞の状態や体内での動きを見るために細胞に目印(蛍光やMRI標識)をつけること。

サニタイゼーション(Sanitization) 【さにたいぜーしょん】

洗浄や消毒によって衛生的にすること。
除染のうち、生菌を規定の許容レベルまで減少させる部分を指し、通常は、化学物質や蒸気、乾熱などを用いて実現することができる。

酸化ストレス 【さんかすとれす】

活性酸素による生体に対する障害作用。

酸化鉄ナノ粒子 【さんかてつなのりゅうし】

MRI診断のためのナノサイズのFe3O4のこと。これを取り込ませた細胞を体内に移植した後、体内での細胞の動きを追跡すること(細胞トレーシング法)もできる。

酸化皮膜 【さんかひまく】

金属表面が酸化してできる表面皮膜。

材料 【ざいりょう】

人類にとって役に立つ物質を材料という。